植物の力「文蔵の滝」

 週の中ごろに降った雨の激しさが見えてくる。

山肌から崩れ落ちた土砂は道の半分を被い

川沿いも陥没寸前のところがある。

 滝つぼの中も大量砂利が積もり

腰の高さまであった水は膝下になっている。

 自然破壊が緩むと植物は

本来の力を発揮するものだと思い知った。

 ぐんぐん伸びた楓の木々は、

薄緑に囲まれた空間を作り、

強い日光は遮られ、ぼんやりした明るさが残るが

枯れ落ち葉の中から強いエネルギーを感じる。

 奥手のシャクナゲの木は、

3年前にはじめて花を一輪つけ

次の年は3輪、なんと今年は30ちかい

大輪の花をつけたのだ。

花の鮮やかさは回りのエネルギーを

この一本のシャクナゲの木に

集めたかのようだ。