人生と煩悩「文蔵の滝」

桜の木の下で「サイハイラン」が、 成長を続けている。 何故かこの頃「人生」という言葉に、 反応する。 人が生きると書く。これに自分の一生を 意識した。 人がこの世で生きている間には、 喜び悲しみ、胸に大きな穴が開き、 風が吹き抜ける喪失感、絶望、…

吹き飛ばされそう・・・な「文蔵の滝」

強風で焚火はできない。 さっき掃いたばかりの地面に、風が無数の 葉を吹き散らす。 着替えをする小屋の中にいても、話声が 掻き消される。 トタン板の屋根に落ちる植物が、 容赦のないすごい音を立てる。 昨日の雨で水の量が増え、流も速いため 岩に打ち付…

フジとキリとハナイカダ「文蔵の滝」

「フジとキリ」の花が同時に楽しめる時が 巡ってきた。 「フジ」には「ヤマフジ」もある。 見分け方は、蔓が右巻き左巻きかで分かる。 「キリ」は高木に大形の青紫色の花が 集まって咲くので、遠くからでもすぐわかる。 今でも「キリ」で、家具や下駄が作ら…

雨ー別世界になる「文蔵の滝」

雨が降りしきる滝は空気が洗われ、 雨音に混じり珍しい野鳥の声も聞こえてくる。 柔らかに膨らんだ新芽が、雨のしたたりで 「ふさふさ」とゆり動いている。 滝へ続く道には、一週間前と同じ木と思え ないほどの花をつけた「シャクナゲ」が 並んでいる。 花冠…

母と一緒「文蔵の滝」

八十五歳まで滝行していた母。 あのパワーは何処から来るのだろうか。 歩きへ遍路に行こうと言い出し、 実行した母も今年九月で九十三歳になる。 滝までの急な坂道は、片手で手すりを持ち もう一方の手を引いてもらって辿り着く。 しかし、焚火に入れる木々…

千切り絵ー「文蔵の滝」

滝に咲く桜の花は、光を通して見ると 白の中に薄いピンクがまじるようになった。 薄緑の柔らかい葉が沢山芽吹いている。 次の雨がシャワーのように、すべての花を 流してしまうだろう。 シャガ、シヤクナゲと目を楽しませてくれる 花がまだまだ続く。 4、5…

橋ー「文蔵の滝」

鳥媒花の代表的な「椿」。 花が上向きに落ちている様子は、 まるで地の女王が出て来たみたいだ。 高所に沢山の「椿」があったのを、 はじめて見上げて知るのである。 「ペンキ塗りたて!」の張り紙が橋の手前 にあり、いっしゅん渡るのをちゅうちょさせる。 …

「文蔵の滝き」に生存競争を見た

今年も滝の桜が咲き始めた。 年々花の数が少なくなっていくのが寂しい。 春の訪れは植物にとって試練の季節でも ある。 毎年スミレ一色になる場所には、 名も知らない野草が顔を出している。 両者、生死をかけてある限りの力で 競っているのだ。 いっぱいの…

歩き遍路の記憶「文蔵の滝」

雨の中をしばらく車が進んでいくと、 速度がゆっくりになり、車の列もできてくる。 一台二台と左の道に入り、すぐ前の車は 追い越し禁止にもかかわらずいってしまった。 必然的に原因となる車は目の前になり それは、バスを引っ張っぱっている レッカー車で…

木+春=椿「文蔵の滝」

道すがら目に入るのは、家々の庭に咲く モクレンの花である。 空に向かって大きく開く白い花は、 純白のウエデングドレスとブーケを 連想させる。 滝の回りの雨に濡れた地面には、 そのままの形を留めた椿の花が点在する。 椿=「木」で作ってもらった杖に力…

強敵は我なり「文蔵の滝」

滝行をしていても「無」になれない。 頭の中はまるで走馬灯。 以前自分の感情にあたふたしたが、 今は開き直ることもおぼえた。 自分と向き合う時なのだと腹を据えている。 時々、雨や暑い日でもお寺を目差し 歩き続けた遍路での出来事を思い出す。 四国88…

椿の花が待ち遠しい「文蔵の滝」

2月だというのにこの暖かさ。 滝行で感じる水の冷たさに比べ、外気温は 3、4月頃の気温だ。 空、樹の色、風の感触、太陽の位置も 小さな滝つぼの世界を数秒単位で変えていく。 私の好きな椿の花が見られない。 灰白色の椿の樹で作ってもらった杖が 私にと…

食欲スイッチオン「文蔵の滝」 

滝の回りで、現世よりいちはやく顔を出す 春の植物といえば、花の蕾「フキノトウ」だ。 この香・・・口に入れると、苦味と共に口、鼻 身体全体に春の息吹が巡り、冬から春へと スイッチが切り替わる。 身体中の細胞にどんな効果をもたらしてく れるのだろう…

梅花の甘い香りする「文蔵の滝」

冬木立の中を鳥たちが飛びまわっている。 底冷えする今日は、岩肌に生えた水苔に 小さな氷柱が、太陽の光を浴びて 宝石のごとく輝いている。 行をする人や観光客がやってこない日は 珍しい。 焚火にどんどん木を入れるが、身体の芯が ほかほかになるまで時が…

雨、、、、、「文蔵の滝」

23日土曜日の滝行。 大寒も過ぎ半月もすれば立春。 今日は早朝から降りだした雨は 止みそうにない。滝に入った後の 焚火は断念するしかないようだ。 こんな天気でも、数えきれない 小鳥たちが、山から里へと下りていく。 雨が続くと嬉しいことは、水が澄み…

春は何処にー「文蔵の滝」

水仙の葉に蜂が止まっている。 この暖かさで巣から出て来たものの 疲れて小休止? 小さな体で長く飛び続けるのはきついだろう。 無事に大きくなりますようにー合掌。 空から賑やかな声がすると思ったら、 鳥の群集が樹から樹へと移動中なのだ。 その間にも囀…

「文蔵の滝」は鐘乳洞?

岩から流れる水はすべて氷柱になり まるで鐘乳石。 大きな岩に被さるように流れた水が そのままの姿で時が止まっている。 何年か前に見たものは、岩の氷面の下を 生き物のように水が蠢いていた。 しかし、あれらは序の口だったのだ。 落ちた氷柱は水晶にしか…

新春を迎える「文蔵の滝」 

2021年新春、はじめての滝は 残雪を体感しながらである。 樹木に積もった雪が、風に吹かれて しだいに小さくて丸い塊になって 組んだ両手に落ちてくる。 外気より水のほうが暖かい。故に、 外気に晒される上半身は過敏となり、 特に指の先は赤くなって痛…

2020年最後の「文蔵の滝」となる

2020年最後の滝は、穏やか日となった。 新型コロナウイルスの変異種が発見された。 さて、2021年という年はーーー? ここに掛かる橋は、現世から彼岸に渡る所、 色々な心配があっても、こころをす~と軽く してくれる場所であることを、自分自身の …

夕闇と静寂「文蔵の滝」

急用ができたので滝に着いたのは 二時を過ぎていた。 滝へ続く道には、ところどころに水溜りが 出来ている。 滝に入るころには、小雨も止み 流れる雲から青空も顔を出す。 岩と木々に囲まれた滝の黄昏は早く 夕闇と静寂の中、緑と山茶花の花が ぼんやりと浮…

はやぶさ2に思いを寄せて「文蔵の滝」

「はやぶさ2」の持ち帰った砂によって、 生命は宇宙のどこで生まれて進化したのか 起源の謎がときあかされるかもしれない。 暗闇に心を置き去りにしていた頃がある。 生まれてきた意味、何故こんなに苦しいのか。 その時なにか目に見えない大きなものに対し…

仲間と宝珠「文蔵の滝」

一年以上あえなかった仲間が顔を見せてくれた。 以前よりましてきれいな肌、すがすがしく超越した 感じさえ見受けられる。 十年あまりお世話していた母上が、 十一月に亡くなられた。 話の中で、彼女が何度も口にされたのが、 後悔ではなく母上への感謝の気…

だれよりも先にー「文蔵の滝」

ツバキ科である「茶」の花の最盛期は過ぎ、 その上に立ち並ぶ「南天」の木々の枝は、 赤く熟した実によって垂れ下がり、 まるでブドウのふさのようである。 滝の周囲を取り囲む「モミジ」は、 天高くそびえる木々と、横に広がる木々に 育ち方が分かれる。 緑…

枯葉の乱舞「文蔵の滝」

風という地球の呼吸は、大樹から一斉に 枯葉を吹き飛ばし、舞う一枚一枚の輝きは 花吹雪の美しさに匹敵する。 渦巻く風は、地上の枯葉を遠くへ遠くへと 運び、あらゆるところに落ちていく。 この光景は、我も人生の風に逆らうことなく 身をゆだねるのもわる…

焚火の魅力「文蔵の滝」

今日の滝は千客万来である。 干し柿の時期は観光客も増え、次々と人が来る。 二組の行をする人たちもやってきた。 はじめに来た人達には、二人の赤ちゃんが 誕生していた。初滝となる赤ん坊の生命の 輝きは、太陽と澄んだ空気と一体になり オーラがすごい。…

花の世界は小宇宙「文蔵の滝」

傘が手放せないとのことであったが、 一度も傘の出番はなく、滝の水も温かく感じた。 焚火の回りで、三つ葉の花を見つける。 2、3ミリの白い花をルーペで見ると、 ふちが白く、全体に薄ピンク色である。 5本のおしべが囲むのは、めしべである。 小さな、…

神無月から霜月へ「文蔵の滝」

十月最後の滝行となるこの日は、 雲ひとつない青空。 少し早起きして続けた運動は、 三か月経つ。おかげで歩くわが身が軽い。 だから、自慢と嬉しさを感じながらの行である。 滝行を初めて何十年になるが、続いたのは 水が好きだったことが大きいと思う。 小…

一期一滝「文蔵の滝」

滝周辺の農家では、干し柿作りがはじまり、 すでに家の前に吊るしているところもある。 この風景を写真におさめょうと、 競うカメラマンたちで賑わうのは 十一月いっぱい続く。 きわだつ花の美しい時は移り、 控えめな野草が、白、青、薄紫色の、 小さな五ミ…

焚火の有難さ「文蔵の滝」

水しぶきを上げ、ワイパーのリズミカルな音と共に 車は進んでいく。 見上げた山々は霧に包まれ いつもと違う風景、墨絵の世界である。 どこからともなく金木犀の香がしてくる。 ふと、自分の中に仕舞っていた別の感覚が 開く感じがした。 今日は、家族だけの…

滝から竜に・・・「文蔵の滝」

台風が来ると、「滝は竜」と言う生き物に変身する。 水は永遠に変化を続ける。 流れ下って行くもの、渦を巻いて天に昇るものなど。 半眼から垣間見た世界は、迫力の中に 神々しい感じさえする。 速い流れは、いくつもの小石を回転させる。 なんとか踏ん張っ…