牛ガエルがいた「文蔵の滝」

 散歩の途中にある池で、「牛ガエル」の

鳴き声を聞いた。

 「モー」牛其の物である。滝でも水が滴り

落ちる岩の透き間から「牛ガエル」の声が

聞こえていたのに今は「モー」聞こえない。

 この辺りの自然も変化して、生き物の数が

少なくなっている。

 今年になって一度も蛇を見ていない。

木のベンチの上でとぐろを巻いていたり、

目の前を川岸から山の方にゆっくり移動する

姿を見る事もあったのに。

 昨年は、脱皮した後の表皮をいくつも見た

のに。目から尻尾までそのままの形を

残しているものもあったのだ。

 周辺の村々では、田植えがはじまっている。

田んぼに水が張られ、畔には苗が置かれ

ている。一段、二段、三段と田んぼに機械が

入ると、苗が水の中にきれいに並ぶこと

だろう。

 何年も前の田植えは、人と牛の協力が

あつて田植えが出来たのだと思う。

 

 

たき火の声が「文蔵の滝」

 久しぶりに雨の心配をしなくてよさそうだ。

今日のように少しひんやりした日のたき火は

心地よい。

 木で段を組み、その中に入れたスギ葉に

火をつける。

 火の粉が「パチパチ」、火の勢いが増すと

「ボー」、火が風と共鳴すると「ゴー」という

音を発する。

 たき火を見つめる「目、眼、まなこ」たち

めいめいの心の内はー?

 滝のうえからカラスが太い声で何かいって

いる。

 山側からは、ウグイスの磨きの掛かった

澄んだ声が響く。

恥ずかしい~「文蔵の滝」

 満開のシャクナゲの花が散り終えた頃、

一本のシャクナゲに、エネルギーを終結させ

たかのように花を咲かせる木がある。

 四年ほど前から一つの花の輪からはじまり

年々増えて今では蕾も大きく、そこから赤い

顔を見せる。

 今日の滝は、毎月十五日の例祭に集まる

人達で賑やかである。

 例祭が終わった後、私達は御下がりを

頂くのが恒例になってしまっている。

 今日も好きな物を取っ手くださいとの

お言葉に甘えて、食べごろのパイナップルを

頂く。

 苺、バナナ、キャベツ、パイナップル、

和菓子が並ぶなかから素早く選んだので

ある。

 後で考えると、欲の塊である自分が

恥ずかしくなった。

 

人生と煩悩「文蔵の滝」

 桜の木の下で「サイハイラン」が、

成長を続けている。

 何故かこの頃「人生」という言葉に、

反応する。

 人が生きると書く。これに自分の一生を

意識した。

 人がこの世で生きている間には、

喜び悲しみ、胸に大きな穴が開き、

風が吹き抜ける喪失感、絶望、妬み

などなど・・・。

 心身を悩ますいっさいの欲望、

「煩悩」がある。

 「百八の煩悩、分類すると八万四千

あるとか」。

 こんな複雑な生き物を創ったのは・・・?

 

 

 

吹き飛ばされそう・・・な「文蔵の滝」

 強風で焚火はできない。

さっき掃いたばかりの地面に、風が無数の

葉を吹き散らす。

 着替えをする小屋の中にいても、話声が

掻き消される。

 トタン板の屋根に落ちる植物が、

容赦のないすごい音を立てる。

 昨日の雨で水の量が増え、流も速いため

岩に打ち付けてある縄をたよりに、滝の前に

立つ事が出来た。

 今青空が見えても、すぐに灰色の雲が太陽

を隠し、頭上を暗くする。

 この強風だ。雨が降ってきたら堪らない。

急いで帰ることにーーー。

 

 

フジとキリとハナイカダ「文蔵の滝」

 「フジとキリ」の花が同時に楽しめる時が

巡ってきた。

 「フジ」には「ヤマフジ」もある。

見分け方は、蔓が右巻き左巻きかで分かる。

 「キリ」は高木に大形の青紫色の花が

集まって咲くので、遠くからでもすぐわかる。

 今でも「キリ」で、家具や下駄が作られて

いる。

 過去には、女の子が産まれると嫁入り道具

のタンスを作るために、庭に「きり」を植えた

とか、、、?

 今年もハナイカダ花筏)の樹を見つけた。

ミズキ科である「ハナイカダ」は、名のとおり

葉の上に花を乗せた筏そのものである。

 淡緑色の葉の形は、仏像の背後にある

光背のようで、その上に小さな仏様の頭が

並んでいるように見えてしまう。

 その「ハナイカダ」を水に浮かべ、ルーペで

花を見て楽しんでいる。

 

 

 

雨ー別世界になる「文蔵の滝」

 雨が降りしきる滝は空気が洗われ、

雨音に混じり珍しい野鳥の声も聞こえてくる。

 柔らかに膨らんだ新芽が、雨のしたたりで

「ふさふさ」とゆり動いている。

 滝へ続く道には、一週間前と同じ木と思え

ないほどの花をつけた「シャクナゲ」が

並んでいる。

 花冠の大きさは、赤ん坊の握りこぶしか

手まりぐらいで、色は赤、またはピンク系の

濃淡が微妙に違うものが多い。

 反対側の急な斜面には、背比べしている

スカンポ」が並んでいる。

その中には、二メートル以上と抜き出た

ものがある。

 秋になり茶色に枯れた「スカンポ」を

火に入れると、「ポン」と高い音にびっくり

させられる。

 和歌山では「スカンポ」を食べるらしい。

一度食べたが、酸っぱくてあまり美味しいと

思わなかった。