雨ー別世界になる「文蔵の滝」

 雨が降りしきる滝は空気が洗われ、

雨音に混じり珍しい野鳥の声も聞こえてくる。

 柔らかに膨らんだ新芽が、雨のしたたりで

「ふさふさ」とゆり動いている。

 滝へ続く道には、一週間前と同じ木と思え

ないほどの花をつけた「シャクナゲ」が

並んでいる。

 花冠の大きさは、赤ん坊の握りこぶしか

手まりぐらいで、色は赤、またはピンク系の

濃淡が微妙に違うものが多い。

 反対側の急な斜面には、背比べしている

スカンポ」が並んでいる。

その中には、二メートル以上と抜き出た

ものがある。

 秋になり茶色に枯れた「スカンポ」を

火に入れると、「ポン」と高い音にびっくり

させられる。

 和歌山では「スカンポ」を食べるらしい。

一度食べたが、酸っぱくてあまり美味しいと

思わなかった。