風と炎と「文蔵の滝」

  今にも泣きだしそうな空である。

滝から上がり焚火の前に来ると、

待ちくたびれたとばかりに

雨が降りだしてきた。

次第に強くなる風の流が

右から左へと大木に移り

ついに焚火のところにやってくる。

オレンジの炎を吹上げる風は

自然の「ふいご」となる。

 こんな時、梢を渡っていく小鳥たちは、

どこに隠れているのだろうか?

 風を感じながら炎を見つめていると

私の中のくすぶっている火種が

ふつふつと燃えあがりそうである。