さすが「文蔵の滝」

 出発の時間になるが、横殴りの風雨

一時間遅い出発になった。

 滝の周辺は、心配していた山崩れや

川沿いのすでに沈下している場所にも

大きな変化はなかった。

 水の量は多いが、濁りがないので幸運だ。

小雨が降りだしたので、小屋に入ると

中央に土の塊が落ちているのを発見、

見上げる天井には、蛇が脱皮したあかしが

のこっていた。

 蛇が生き延びる環境があるというのは、

私達が生き延びられるあかしでもある。