吹き飛ばされそう・・・な「文蔵の滝」

 強風で焚火はできない。

さっき掃いたばかりの地面に、風が無数の

葉を吹き散らす。

 着替えをする小屋の中にいても、話声が

掻き消される。

 トタン板の屋根に落ちる植物が、

容赦のないすごい音を立てる。

 昨日の雨で水の量が増え、流も速いため

岩に打ち付けてある縄をたよりに、滝の前に

立つ事が出来た。

 今青空が見えても、すぐに灰色の雲が太陽

を隠し、頭上を暗くする。

 この強風だ。雨が降ってきたら堪らない。

急いで帰ることにーーー。