千切り絵ー「文蔵の滝」

 滝に咲く桜の花は、光を通して見ると

白の中に薄いピンクがまじるようになった。

 薄緑の柔らかい葉が沢山芽吹いている。

次の雨がシャワーのように、すべての花を

流してしまうだろう。

 シャガ、シヤクナゲと目を楽しませてくれる

花がまだまだ続く。

 4、5月の暖かさで、植物も忙しいことだと

感じているのではないだろうか。

 滝つぼにも桜の花びらが舞い落ちてくるが

風圧で巻き上げられ、濡れた岩肌一枚一枚

張り付いて、「千切り絵」のようだ。

 フキノトウに変わって食欲を満たしてくれる

のは、大きく成長した「蕗」である。

 指、爪のなかまで黒くする、灰汁を抜くこと

からはじまり、佃煮にしていただく。

 自分自身も灰汁が抜けて、味わい深い

人になれるように頑張ろう。