歩き遍路の記憶「文蔵の滝」

 雨の中をしばらく車が進んでいくと、

速度がゆっくりになり、車の列もできてくる。

 一台二台と左の道に入り、すぐ前の車は

追い越し禁止にもかかわらずいってしまった。

 必然的に原因となる車は目の前になり

それは、バスを引っ張っぱっている

レッカー車であった。

 バスの後尾には、「四国巡礼二十三番札所

薬王時」と、大きな広告があった。

 徳島県最後の札所となる薬王寺

日和佐町にあり、高台にあるお寺から

見渡す海は美しかった。

 砂浜にはウミガメが産卵にくる。

近くでウミガメを見る事もできたのだ。

 この後、「二十四番札所最御崎寺」は

八十六キロ先で高知県になる。

 国道五十五号線を左に海を見ながら

うねうねと長く続く厳しい道程を

三泊してやっと辿り着くのである。

 そんなことを思い出しているうちに到着。

まだ雨は降りつづいている。

 

 

 

行ってしまった。