強敵は我なり「文蔵の滝」

 滝行をしていても「無」になれない。

頭の中はまるで走馬灯。

 以前自分の感情にあたふたしたが、

今は開き直ることもおぼえた。

 自分と向き合う時なのだと腹を据えている。

時々、雨や暑い日でもお寺を目差し

歩き続けた遍路での出来事を思い出す。

 四国88か所を巡る歩き遍路は

自分と向き合う旅である。

 今思い出しても恥ずかしい行いが多々ある。

我がまま、焦りが自分の思考力を奪って

しまうからだ。

 そんな気持ちを安らげてくれるのが、

地元の人々との一期一会なる出会いである。

 優しさ、心遣いが明日への力になる。