「文蔵の滝」は鐘乳洞?

 岩から流れる水はすべて氷柱になり

まるで鐘乳石。

 大きな岩に被さるように流れた水が

そのままの姿で時が止まっている。

 何年か前に見たものは、岩の氷面の下を

生き物のように水が蠢いていた。

しかし、あれらは序の口だったのだ。

 落ちた氷柱は水晶にしか見えない

滝は鐘乳洞だ。

 小寒大寒の真ん中である今日の滝行。

水から出ている滝着はパリパリになり、

次第に声明の声もかすれてくる。

それは水から上がれとの合図にもなる。

 この後、動きにくい指と格闘しながらの

着替えが待っている。