一期一滝「文蔵の滝」

 滝周辺の農家では、干し柿作りがはじまり、

すでに家の前に吊るしているところもある。

 この風景を写真におさめょうと、

競うカメラマンたちで賑わうのは

十一月いっぱい続く。

 きわだつ花の美しい時は移り、

控えめな野草が、白、青、薄紫色の、

小さな五ミリほどの花を咲かせている。

見れば見るほど可愛らしさに引き込まれる。

 この日の滝は、一生で一回きりの体験となる。

「季節、時間、天気」この一つでも欠けると、

出合えない「虹、虹、虹」---がある。

 両手を合わせる前に大きな虹の輪。

釘づけになったのは、岩肌に映写された、

大きなオレンジの炎である。

滝から出て、震える身体を両手で包み込み、

なんとか見続けられたのである。

 自然のおくりもの「一期一滝」を。

 毎回変わる自然の中で、一心に願うと必ずかなう。

毎週土曜日滝で待っています。

  電話 072-297-4765  こいぜき