滝から竜に・・・「文蔵の滝」

 台風が来ると、「滝は竜」と言う生き物に変身する。

水は永遠に変化を続ける。

流れ下って行くもの、渦を巻いて天に昇るものなど。

 半眼から垣間見た世界は、迫力の中に

神々しい感じさえする。

 速い流れは、いくつもの小石を回転させる。

なんとか踏ん張って立つ足の上を

ゴロゴロと通り過ぎる。

 風圧という噴射機から、口に水が送り込まれ

アップアップしながら呼吸をする。

 自然界に必要な台風。

時には、大きな打撃をあたえたり

築きあげたものを、あっというまに消し去り

悲しみと絶望をあたえることがある。

 それでも台風は、海水温度を下げ、

海底に沈殿した栄養分などを巻き上げて、

生物に糧となる役目を担っているのである。